2011年8月23日火曜日

昭和40年男と映画


現在、私のメイン仕事である「昭和40年男」10月号(9月10日発売)の編集作業が佳境に入っている。今回の特集テーマは「宇宙」と銘打っているのだが、これまでとはちょっと違うコンテンツを扱ってみた。それは映画「スター・ウォーズ」である。詳細は発売後のお楽しみだが、「スター・ウォーズ」よりもここでの力点は「映画」という単語の方にある。

これまで「昭和40年男」では、テレビ全盛時代に育った我々という史実を念頭に、「ウルトラマン」や「仮面ライダー」、「8時だヨ全員集合」などの人気テレビ番組を多く扱ってきたのだが、「映画」というのは微妙な存在だった。

今では様相は変わったが、昭和40~50年代当時、映画はテレビによって娯楽の王様の座を追われ、人々の習慣の中心から徐々にはずれていっていた。だから、30年代を知る人ほどには映画作品における共通体験というのがないのだ。

そこに変化をもたらしたのは劇場版「宇宙戦艦ヤマト」の登場あたりからだと思うが、その翌年公開された「スター・ウォーズ」でさえ、SF映画の金字塔であるにもかかわらず、「オレたちみんな見に行ったよな」とはすっぱりと言い切れなかった。宮崎アニメが幅を利かせ出した頃からはそういう言葉を映画に使うこともできるようになったのかも知れないが、少なくとも昭和55年くらいまでは“映画は遠い存在”という逆説的共通認識が昭和40年生まれ前後の世代には確かにあったと思う。取り分け洋画に対してはその傾向がいまだに続いているように思える。

このあたりは今後の特集を考える上で、押さえておかなければならない条件なのかなと思っている。
「あなたが見て印象に残っている映画は何ですか?」一度まとめて調査してみるべきかも知れない。

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