2011年8月19日金曜日

テレビ画面を汚す放送局


このところ、テレビ画面の汚れが目立つ。掃除していないという意味ではない。デジタル化でハイビジョンとなったのに汚いのだ。画質のことではない。無駄な文字が画面を汚しているのである。

きのうは特にひどかった。日本在住の方なら誰もがご存じのように、昨日は無茶苦茶暑かった。関東では38℃に達する地域が続出し、節電下の電力消費量もあわや限界越えかというところまで上昇した。これらの情報が、いわゆるL字表示というやつで逐一画面に現れるのだ。さらに細かい地震の情報も重なって、画面表示に負い重なるのである。確かに、熱中症で命を失う人も少なくなく、電力の見える化も重要な情報であろう。地震についても言わずもがな。

だが、少しお節介が過ぎないかとも思うのである。テレビに言われなくても暑いのはいやと言うほどわかってる。そう思えばエアコンも付ける。それより今見ている番組に集中させてくれ、そう思うことが少なくない。ニュース速報も「何でこれが緊急?」というものも最近では少なくない。ネットの情報と競っているとでも言うのか。でもそれはテレビに悪印象を与えるだけで返ってマイナスではないかと思わないのだろうか。

せっかくデジタル化完全移行が成されたというのに、そのメリットを生かしていないようにも思う。もっとデータ放送を活用すればいいのではないか?NHKのデータ放送には、近隣で雨が降り出すとポップアップで知らせる機能というのがある。これは視聴者のリモコン操作でしまうことができる。この仕組みを使ってニュース速報を流し、見たくない人はキャンセルできるようにすればいいのである。これでせっかく録画しているドラマに余計な文字が混ざってしまうこともなくなる。

もっとも、この画面を汚すことを能動的にやっているケースが民放を中心に見受けられる。これこそがテレビ画面を加速させていると私は見ている。例えばアニメ番組で、画面の最下部にDVDなどの発売情報を流したり、次の時間帯の番組のお知らせなどを流すことがある。これには副産物の広告効果のほか、録画したコンテンツが違法に出回るのを防ぐ効果を狙っているのである。権利保護は確かに重要だが、そんな露骨な方法をとらなければならないとは思えない。むしろ局の印象を悪くするマイナス効果の方が強いと思える。だいたい放送中のコンテンツを汚すこんなやり方は、テレビのために作品を作っているクリエーターたちに対して失礼ではないかと思う。

テレビ離れへの危機感は放送関係者の誰もが意識していることだろう。その中で何をやるべきで何をやってはいけないのか、自局の放送画面を見つめながら今一度考え直して欲しいと思うのである。

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