2011年8月18日木曜日

エアコンの甘い蜜


この十日あまり猛暑が続いている浅草である。前にも書いたが、この時期暑いのは陽が東から昇って西に沈むくらいに普通のことで、そこを殊更騒ごうとは思わない。だが、昨今、というか今年の夏に限ってのことでもあるが、テレビの情報番組などで「エアコンを上手に使って体調管理を」と呼びかけている様子には弱冠の違和感をおぼえる。

言わずもがな、今年は節電必至の夏。電力消費量が去年の最ピークの70~80%に押さえられているのはこの考えが浸透し、国民こぞって実行している証だ。ほかのことでもこれだけ国民が一丸なれば何かが変わるのではないかとさえ思ってしまう。そんな節電努力を心がける一方で、「エアコンを付けろ」というメディアの言葉は水を差しているようにも感じられるのだ。

もちろん、過度の節電をする必要はなく、節電しすぎたあまりエアコンを付けるのを我慢して体調を崩す(下手すると死に至る)人が出るのを押さえる意味であるのは百も承知。

だが、あまりエアコンに依存しすぎて体調をおかしくすることがあるのも周知の通り。つい最近までは「エアコンの付けすぎには注意しましょう」なんて呼びかけがテレビからも盛んに成されていたはずだ。CO2削減の観点からもエアコン使用を押さえたほうがいい、そういう言い方だったはずだ。結局、エアコンは付けたほうがいいのか使ったほうがいいのか。結局最終判断は自分次第、というワケか。

そんな中で自分はどうかというと、この一週間ばかりは1日平均6時間くらい、エアコンを回している。それ以外の時間は外出時を除き、ベランダの冊子と洗面所の窓を開けっ放しにして風を通し、扇風機と組み合わせて対処している。日当たりがいい部屋ではあるが直射日光はうまい具合に入ってこず、適度な風が肌に優しい。マンションの7階というのもメリットが大きい。

正直、電気代がもったいないからと言うのが冷房を抑えている最大の理由なのだが、慣れてしまうと実に心地がよい。むしろ、冷房が効いた喫茶店に長時間滞在したあと外に出るときの反動を考えると、ほどよい暑さに長時間浸る方が健康的とさえ思える。

エアコンの涼しさは確かに魅力的。でもそれは禁断の蜜の味のようにも思える。それはどこか、昨今の原発要不要論にも通じるようにも思える。いずれも、人間の感覚のコントロールが大事ということは間違いない。

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