2011年8月10日水曜日

夏アニメ、アイドルマスターとかピングドラムとか


7月スタートした夏アニメ。前期の「Dororonえん魔くんめ~らめら」が世代的にあまりに強烈だったせいで、拍子抜け感が否めないのだが、気になって続けていている作品はちゃんとある。

まずは待望の“ちゃんとした”アニメ化となった「アイドルマスター」。どうしてもゲームのキャラとデザインを比較してしまうのだが、歌う場面以外では始めて活発に動く765プロのアイドルたちを表現するデザインというところはしっかり押さえられていて、まずは合格と言える。何しろアーケード向けゲームから数えると7年も前から続いているコンテンツであり、プレーヤーには各キャラのイメージはしっかり出来上がっている。1から設定を考えなくてはならないほかのアニメとは逆の意味の難しさが当然あるはずだ。下手にアニメだけの設定を挟めば、たちまち最近のロンドン状態となるのは目に見えている。回によっては既存設定の面が強調されすぎているケースも見受けられるが、おおむね期待に応えているレベルにあると言っていい。ただ、回を追って難しくなってくるのは誰の視点で話を進めるかになりそうな気がする。ゲームではプレーヤー自身だったプロデューサー(役名もまんまプロデューサーなんだな)の視点ということにはなるはずだがあくまで主役は13人のアイドルであって、ゲームプレーヤー=プロデューサーが「オレがオレが」となってしまってはアニメ作品としては×だろう。それは見る側も作る側も押さえているはず。でも、未熟なアイドルたちを育てるのはプロデューサーの大事な役割。はたしてどう割り振っていくか、2クール続くそうなので長い目で見守ろうと思う。

もう一つ気になっているアニメは「輪るピングドラム」。「生存戦略しましょうか」という、一見かっこよくも、実は行ってる意味がぜんぜんわからないナンセンス感と、大胆な作画ややたら割り込んでくる丸ノ内線の行き先表示版が、不思議な魅力を作っている。内容、ストーリーについてはどうこう言うものではないが、世界観全般において記憶に残るアニメとなりそうだ。

そんな注目作品が幾つかある一方で、深夜アニメ全般のマンネリ化も顕著になっているように感じる。ホモ設定やらユリ設定やらズリネタやら、「これさえ見せておけば視聴者は喜んでみてくれるさ」的な軽薄さが制作サイドに見え隠れしている。放送局もじり貧状態で、アニメの制作環境はますます厳しくなっているというが、あまり舐めた作り方ばかりしているとあっという間に陳腐化するのがアニメの世界でもある。その意味で、一団と切れのある作品を秋以降には期待したい。

0 件のコメント:

コメントを投稿