2011年8月17日水曜日

ウルトラマンはファッション?いや伝統芸能だ



きのう(8月16日)発売のPEN9月1日号には正直、ビックリした。PENといえば大人の男のファッションに重心を置いたカルチャー誌。そんな大人の雑誌が今回表紙に据えたのはウルトラマン。特集は円谷プロ大研究ときた。


ファッション誌とウルトラマン。これほどのミスマッチもないものだが、よくよく考えるとそうでもない理由が見えてくる。今年はウルトラマン(その前のウルトラQも)がテレビ放映開始から45周年。初代を本放送で見た子供も今や、社会の中間管理職から役員レベルに差しかかろうとしている。ウルトラを知らない社会人はむしろいないと言っていい。ウルトラマンは普段はいてるジーパンやTシャツくらいに身近な存在であるわけで、そういう格好良さを競おうというのならウルトラマンをファッションアイテムと捉えて何のはばかることやあらん、だ。

私が手がけている雑誌「昭和40年男」でもウルトラがらみの記事はたびたび書いていて、書き重ねることにウルトラマンの偉大さを噛みしめている。読者層的にはほぼ重なるPENの編集部も思いは同じだろう。
ウルトラマンのすごさは様々あるが、40代半ば以上の我々とその子供たちが同じ番組を同じ視点で同時に感動し、笑える人類史上唯一のコンテンツではないかと私は確信している。

親子二代、3代で楽しめるヒーロー作品は仮面ライダーやゴーカイジャーもそうだが、これらの場合、同じ番組を親子で見ながらも受けるポイントが親と子でズレがあったりする。子供は合体ロボが登場するシーンに興奮するのだが、我々はかつての戦隊ものに出ていた懐かしの役者が登場する場面にニンマリするといった具合。

ところがウルトラマンの場合、45年前のバルタン星人とイデ隊員が交わすやりとりに、親と子が同時に笑ってしまい、バルタン星人が分身するトリック撮影に今でも度肝を抜かれるのである。このウルトラの恒久感はちょっとほかの作品ではお目にかかれない。それはワンパターンというのとは違うのである。

先にウルトラマンもファッションと書いたが、こう考えるとライダーや戦隊などほかのヒーローものがファッションであるのに対し、ウルトラマンは伝統芸能と捉えた方がいいかもしれない。歌舞伎や浄瑠璃と同列なのである。ウルトラマンも初代からセブン、帰りマンと来て最新のウルトラマンゼロまで代々受け継がれているヒーローの役目は歌舞伎役者の名跡襲名と重なるではないか。

ではなぜ、そんな伝統宇芸能に到達するウルトラマンカルチャーが誕生し得たのか。それはこの紙面にぎゅっと詰まっているので熟読して頂ければと思う。ずっと見続けてきた濃いファンも、子供に釣られて久々に記憶が甦ったという方にも絶対満足のいく内容である。あ、私は別に書いてませんがね。書きたかったなあ。

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