2011年8月2日火曜日

懐かしの都電に会いに行こう「東京の交通100年博」


きのう8月1日は、都電の前身である東京市電設立からちょうど100年という記念日だった。いま江戸東京博物館ではこれを記念して、特別展「東京の交通100年博」が開かれている。東京とが運営する都電、都バス、都営地下鉄の歴史を、貴重な品々をたどりながら追想していくという内容だ。先週、さっそく行ってきた。

「昭和」という意味でやはり最も注目すべきは都電関連の展示だ。明治以来の貴重な資料類も興味深いが、何と言っても感動ものなのが、都電最盛期だった昭和30年代当時使用された全路線41系統のヘッドプレートの壁面展示だ。50年も前の代物がよくこれだけ揃って残っていたものだと、愛好家には感謝の思いだ。また、都電歴代の車両をお家の家系図になぞらえて大河ドラマ風に解説した図などもあり、展示物への苦労がうかがえてこれまた面白い。

また会場内には昭和40年代の都電廃止当時のニュース映像が流されている。いま思えば美濃部都政の大失策だと思うのだが、それを億目もなくさらす都の姿勢は寛大と評価すべきなのだろうか。余談だが、ちょうど私がそのVTRを見ている横で眺めていた中学生の一団が「これ、鳩山?吉田茂?」などと話していたのが気になった。昭和は遠くなりにけりである。

一方、博物館外には現存最古の都電車両6000系と札幌市電の冬の名物・ささら電車もおかれている。6000系は12月に公開される「ALWAYS 三丁目の夕日」の撮影に使われた後とあって、オープンセットの一部とともに並べられ、見学者の郷愁を誘っている。面白いのは電車の中の広告類。うっかりすると昔からはられたのかと思わせるような凝った作りが何とも。若い人ならまず騙されるだろうなあ。こういう、映画の画面にはまず現れないであろう細部まで作り込んでいるのは、小道具さんがいかに楽しんで仕事をしていたかをうかがわせる。個人的にCG作り込みバリバリの「三丁目の夕日」は今ひとつ好きにはなれないが、こういう仕事を目の当たりにすると心を動かされてしまうものだ。

ほかにも、都営地下鉄浅草線、三田線(昔は1号線、6号線と呼んでいましたね)の開通にまつわる懐かしい物件なども鉄道ファンなら要チェック。特別展は9月上旬まで行われているようなので、お時間があれば是非。

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