2011年8月3日水曜日

浅草 位置情報サービス事情


今モバイルの世界で広がりつつあるのが位置情報サービス。ライブドアの「ロケタッチ」やはてなの「ココはてな」、海外勢ではFacebookのポイントチェック機能にfoursquareなど、市場形成期によくある乱立感を伴いながらも、一定のユーザーを獲得しつつあることは私自身の使用感からも如実に感じている。iPhoneに複数のアプリをインストールして使い分けている一も少なくないだろう。特に秋葉原や六本木、上野駅や東京駅などターミナルでのタッチ数は盛り上がりのバロメーターを示している。

だが、ひとたび繁華街を離れるとタッチ数は極度に減る傾向も一方である。そこに、アクティブなモバイルユーザーの分布図が現れていて、それはそれでまた興味深い。それが明確に現れているのがわが街、浅草界隈だ。

震災直後はご多分に漏れず来訪者ががた減りしていた浅草寺周辺も、5月の連休あたりからほぼ元の状態に戻りつつある。外国人観光客も再び目立つようになり、開業まで1年を切っているスカイツリー人気もあって例年以上の賑わいさえ感じさせている。

ところが、そんな賑わいがソーシャルメディアのバーチャル空間に置き換えるとまだまだ未成熟だったりする。雷門にほど近いスターバックス、ロケタッチでのリーダーはかくいう私であるのだが10回も通えばあっさりその座を奪い返すことができる。秋葉原アトレのスタバではとてもそうはいかない(開店してまだ半年しかたってないのに)。ほかにも、プロントやマクドナルドを始め浅草六区界隈のカフェや飯屋、中華料理屋のほとんどのリーダーは私だったりする。ついでに言うと銀座線の田原町駅も。でもほとんどが10回行ったかどうか。

早い話、この界隈の住人でロケタッチやFacebookを積極活用しているのは私くらいなのである。これは自慢話などではなく孤立感を感じるレベルなのだ。ソーシャルメディアにおける見事な地域格差だ。おそらくこれは浅草だけの現象ではないだろう。秋葉原や渋谷、六本木、新宿などの超繁華街、オフィス街とそうでない地域との差はものすごく大きい気がする。東京の顔とも言える浅草でさえこんな状態なのだから、ほかの地域は推して知るべし。位置情報サービスに携わる業界関係者は、このあたりの傾向をしっかり認識して市場開拓にいそしむべきだろう。いま位置情報サービスの一部ではチェーン店などとタイアップして電子割引券の配布などを実施しているが、せっかく入手したものを使おうにも、ソーシャルメディアの利用が盛んでない地域では使えるお店の側での対応さえままならないことも想定される(実際私も地元の日高屋でそういう体験をした)。

ネットでつながるバーチャルな出会いを提供するソーシャルメディアも、そのバックボーンを構築するためにはリアル空間における地道な活動の積み重ねが結局はものを言ってくる。位置情報サービスをモバイル利用のメインストリームへ持って行くにはそこが最も肝心だと、浅草という街が教えてくれているのである。





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