2011年8月14日日曜日

ナポリタンだよ!全員集合


昭和の子供の大好物といえば、カレー、ラーメン、そしてスパゲティが3大料理だ。ことにスパゲティは、ナポリタンかミートソースに限る。最近のこじゃれたイタメシ屋で出されるバジルがどうのとかオリーブがどうのとかそんなのではない。トマトケチャップで炒めた真っ赤っかあなあの感じがいいのである。え?あんなダサイのの本場のナポリにはない?そんなことはどうでもよい。あれが日本の洋食の色なのだ(日本の洋食という時点で言葉が破綻しているが)。間違っても“パスタ”などと呼んではいけないのである。

そのスパゲティ・ナポリタンに、ここ数カ月凝っている。自宅でもやたら作るようになった。きっかけは、とある仕事の合間、渋谷のビルの谷間で見つけたスパゲティ屋との出会いだった。一見風俗店のような看板に書かれた店の名前は「パンチョ」。イタリアというよりはメキシコっぽいが(旗を横にしただけ?)、入り口に貼られていたスパゲティナポリタンの赤々とした写真に反応した。しかもスパゲティの上には厚切りのベーコンやとろけるチーズが載っている。おお、これだよこれ、昭和の洋食の感覚。最近じゃ地元浅草でも少なくなった昭和感覚の佇まい。

有無をいわさず店に入ると、いかにも安っぽい感じ(褒めてますよ)だが、おいしいものが出てきそうな匂いが漂っていた。しかも、壁を見渡すと懐かしめの映画のポスターがベタベタと。80年代を中心に一世を風靡した邦画のものばかり。本当に昭和だ。席に座ると、目に入ったのは粉チーズがガバッと入った容器と、タバスコのぶっとい瓶。いずれも容赦なくぶっかけてくれといわんばかりだ。

そして待つこと数分、注文したチーズ載せ400㌘が運ばれてきた。銀色の皿も昭和40年代な感じ。真っ赤なスパゲティには刻んだソーセージとガバッとかけられたピザ用チーズ。もう子供が大好きなものばかりの取り合わせ。これにさらに粉チーズを大さじ2杯まぶして、ガブ!う~ん、想像と寸分狂わぬ豪快な味。気を衒わない素朴な味わい。逆に言えばほとんど面倒な味付けはしていない粗雑さが、何とも言えなかった。

うまかった。それと同時に「これならうちでも作れるわ」と、週に1度は家で作るようになったのである。

その後、調べてみるとこの「パンチョ」、御徒町の駅前にもあることが判明。秋葉原へ行く途中で立ち寄ったこともあったが上野広小路からというのはちょっと面倒で、最近は行ってなかった。

ところが、である。きのう秋葉原のPCパーツ街をぶらっとしていたところ、かの看板が目に入ってきた。おお、なんとこんなところに出店してくれたのか。場所はたったったたたーちばな書店のビルの地下、といえばお分かりだろう。この場所、しばらく新しいラーメン屋が進出してはすぐ閉店という経緯をたどっていたのだが、このパンチョはアキバの新定番になると私は確信する。あのテイストは今の井アキバにこそぴったりだ。案の定、オープン初日のきのうは行列ができていた。すぐはす向かいの伝説の豚丼の店や九州じゃんがらラーメンにとっては強力なライバル登場だ。アキバB級グルメの熱き戦いが再び始まった。

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