2011年8月12日金曜日

ハッピーロード大山


きのうの仕事先は板橋区の大山だった。池袋から東武東上線の各駅停車で3つ目。下町というのとは違うが、都心とほぼ隣接しているこの地域には独特の風情がある。駅を降りた目の前に広がる商店街・ハッピーロード大山がこの街の顔、この街のすべてと言ってもいいかもしれない。

実はこの大山、私にとってはちょっとした思い出の地だったりする。小学5年生の頃だから、今から35年くらい前か。当時鉄道少年だった私は(今でもそのスピリッツは消えたないが)特に鉄道模型に凝っていた。大山には、模型メーカー・グリーンマックスの直営店があって、月に1度くらい、浦和の家から通っていた。まだ小学生だったからちょっとした冒険だったが、友だちと一緒に電車に乗れるだけで嬉しくて、ぜんぜん怖さなどはなかった。

大山の商店街にアーケードができたのはちょうどその頃だった。今でこそ屋根の付いた商店街は地方都市などを含めどこにでもあるが、このハッピーロード大山が日本で最初ではなかったかと思う。まだわが地元浦和には大きな商業施設はなく(伊勢丹・コルソができるのはこの2年くらい後)、東京の商店街はひと味違うんだなと感心した記憶がある。

その大山を久々に歩いた。当時と比べてどう変わったかが判るほどの記憶力はないが、グリーンマックスまでの道順は身体がおぼえていた。ちなみにこの日の訪問先はそこからちょっと先(その話はまた後日)。商店街の真ん中あたりの角店を右に曲がると見える踏切の警報機が目印だった。そして30年ぶりのその店は、さすがになかった。だが警報機は、姿を変えて残っていた。グレーに塗られたその姿がちょっと痛々しい(写真)。調べたところ10年ほど前に店を閉めたそうだ(グリーンマックスの会社はもちろん残っているし、鉄道模型のキット<組み立てモデル>メーカーでは確固たる地位を維持している)。跡地は外資系損保の事務所になっていた。

まあ、時代の流れは仕方がない。訪問先での仕事を済ませた後、昼飯がてら商店街をぶらぶらと。30年前の周囲の店の記憶はほとんどないが、佇まいそのものは悪くない。浅草とはちょっと違うが、真昼でもそれなりの人通りはあるし、おいしそうな店も何軒か見受けられた。大山駅の立て付けも、エレベーターが最近新設されたようだが、おおむね30年前と同じ。またそのうち、時間を作って訪れてみたい。

0 件のコメント:

コメントを投稿